育自の魔法について

代表あいさつ

山口ひとみ

NPO法人 育自の魔法

代表 山口ひとみ

みなさん、こんにちは。
NPO法人育自の魔法の代表理事の山口ひとみです。私が育自のための小さな魔法というワークショップを作って15年経ちました。これほど長く同じワークショップが続くなど、全く想像がつきませんでした。ただただ、子育て中のお母さんが、自分自身のことを話して聴いてもらう体験をしてもらいたい、という気持ちで作ったものです。たった1回のつもりがこんなにも長く、子育て世代を超えて、多くの世代や多くの人に愛されるとは思いませんでした。
今の時代、本当に自分を大事にすることがどれだけ重要であるかは、多くの人が感じているのではないでしょうか。自分を否定するから、相手も否定していじめや虐待やDVや貧困など多くの問題が起きていると感じます。人がまず自分自身を認める、愛することこそが、問題解決の一番の近道だと考えます。70億人が自分を大事にするベビーステップを一歩踏み出したら、どれだけ地球が住みやすくなるでしょう。自分を大事にすることから地球が持続可能になる、それを信じて活動を続けていきたいと思います。

山口ひとみ プロフィール

1961年東京生まれ。北海道や東京、富山などで育つ。富山大学人文学部卒業後、コンサルティング会社に営業として勤務。出産を機に退社。9年後にコンサルタントとして復帰する。企業研修講師や、組織診断や調査などを行う。
2005年CTI(The Coaches Training Institute)の発行する認定資格CPCC(Certifird Professional Co-Active Coach)を取得、同年オフィスヤマグチを設立し、独立。
2007年より2012年まで5年間CTIジャパン(コーチ養成機関)にてワークショップリーダーを務める。
NPO法人育自の魔法を2013年に設立、代表理事、現在に至る。
山が大好きでよく登りに出かける。地図好き。旅が好き。人と話すのが好き。自己探求も好きなので山登りは修行のように黙々と登るのが好き。
人生のテーマは「自分を認め、コミュニケーションを通じて自らを表現をする」

育自の魔法の成り立ち

よく「育児」と「育自」を間違えられます。なぜなら、育自の魔法の初期の頃は、子育て中のママ向けに作られたワークショップだったからです。
「育児」と自分を大事にするという意味で作った造語の「育自」を、対象者がママたちだったから引っ掛けて「育自」としました。
現在でもよく、あれ?子育てのワークショップじゃなかったんですね、とよく言われます。字が違っていても、頭の中で「育自」を「育児」と変換してしまうのですね。
そして、「なんで“魔法”という言葉がつくの?」という質問もよく受けます。これは、一緒に育自の魔法を作った「川越子育てネットワーク」の創設者である久保木裕子さんが、「“魔法”という言葉がついたら、なんかいいこと起こりそうな感じがするでしょ」という一言から、山口の思い入れのあった育自と魔法をくっつけて「育自の魔法」となりました。

山口自身が、専業主婦でワンオペで子育てしていた時の体験が、このワークショップを作る原体験となっています。妊娠して会社を退社せざるを得なくなって、専業主婦になりました。社会と切り離されたような感覚、取り残されていくような焦りや不安。そんな中、1人で子育てをしていた時に、ママ友との会話が、子どもや、夫や姑への愚痴、今晩のおかずは何にするか?とか、テレビの話ばかりで、日常がつまらなく感じていた日々。そんな中、ママ友に、子どもが大きくなったら保育園に預けて働いて頑張ろうと思うという話をしたら、そのママ友はスルーしました。その時に、自分の本音を言ってはだめなんだ、自分の話を聞いてもらえないのだ、という孤独感をさらに強く感じた一件がありました。

その後、十数年経った時に、川越子育てネットワークの代表と出会い、「今のママたちも当時の山口さんと同じように孤独感を感じてますよ。親子向けの講座は沢山あって出て来ても、参加者同士はなかなか繋がっていかない。さらに、講座に出てくるお母さんはまだいい。家に閉じこもってしまっているお母さんこそ、必要なのに、出てこない。虐待も密室で起きていることが多いんですよ。」という話を伺って、本音で話ができる場を作ろうということになり、第一回目のワークショップを開催しました。2003年7月7日のことです。

あかちゃんを抱っこするお母さん、2、3歳児は周りを走り回る、という賑やかな中、お母さんたちは、自分のことを話しました。人生を1本の線で表してそれを語るというものです。たったそれだけなのに、ものすごい勢いで皆さん自分のことを語っていました。その様子を、私も、久保木さんも、会場を貸してくださった公民館の職員さんも、目を丸くして驚きました。何が起きているかわかりませんでした。でも、あまりにもお母さんたちがエネルギーが高くなったものですから、もう一回やろうということになりました。その時には、公民館の職員の方が、「予算がありますから託児をつけられますよ」との一言で、2回目は、お子さんを預けて、〇〇ちゃんのお母さんでもなく、〇〇さんの奥さんでもなく、「私」のことを話したママたちはさらに元気になってゆきました。それがあまりにも劇的に変化したものですから、川越子育てネットワークの方々は、川越市中の公民館を回って、この講座をやりませんか?と営業してくれました。その中で、川越市のある公民館さんが「うちでやってもいいですよ」とおっしゃって下さりそれ以来、14年ずっと継続して秋の講座として定着しました。

その後、山口のコーチ仲間が次々と趣旨に賛同、活動を共にすることで、育自の魔法は日本全国に広まっていくのでした。
最初は、子育て中のママや、小学校のPTAの研修で開催したりされることが多かったのですが、徐々に、参加したママたちが「うちの夫に」「お子さんがいらっしゃらない友人だけど、彼女に教えたい」とこれを受けたらいいなあと思い浮かぶ人に口コミで広がって言ったため、対象者が子育て世代だけでなく、小学生から高齢者の方まで広い世代に受け入れてもらえるようになりました。

そう言った理由で、「育自の魔法」と言っても、参加するのはママばかりではないのです。現在では、企業内研修や自治体でも開催されています。
さらに、現在は介護職の方向けや、介護されている家族への提供や、東日本大震災の被災者の方への提供など、本当に幅広い対象者に向けて開催しています。
対象はどういう層ですか?と聞かれると、本当に困るのです。自分を大事にするということは全ての人がそうであってほしいと願っています。全ての人が、自分を大事にするベビーステップを踏み出したら、あっという間に地球は元気になるのではないかと思います。
そういう願いを込めて「育自の魔法」というネーミングとなっています。
15年前は、こんなに広がるなんて夢にも思っていませんでした。それこそ、魔法がかかっているワークショップです。

育自モデル

育自から始まる社会貢献・社会変換の流れを、『育自モデル』として
代表理事山口ひとみが動画で紹介します。