リレーエッセイ「私の育自」

育自の魔法にかかって

自分を大事にすること

2014年4月、私は育自の魔法のファシリテーターになりました。

立場や役割を懸命に果たそうとするほどに、置いてきぼりになりがちな「自分を大事にする」こと。育自の魔法のワークショップは、その大切さと、そこから始まる優しい世界を、たった2時間のプログラムの中で体験することができます。
自分が体験した身も心も軽くなる経験を、自分もまた届けられる人になりたいと思ったのです。

起こったことは変えられないけれど

育自のための小さな魔法Part1では、自分のそれまでの人生について語ります。
このワークショップを何度も経験する中で実感しているのは

 起こった事実は変えられないこと
 起こったことへの意味付け(とらえ方)は変化すること

どんな自分も、評価判断されずそのまま受け入れられることを経験すると、自分自身の懐も深く広くなっていくようです。

「私の好きなことは “草むしり” です」

2016年7月、仲間がファシリテートするPart2で、私は普段使っている園芸用のグローブを手にして「草むしり」の魅力について話しました。

 「雑草」とひとまとめにされる草花の、一つ一つが魅力的なこと
 草花と向き合っていると、たくさんの発見や不思議に出会うこと
 必要なだけ手をかけると、草花も私自身もいきいきしてくること…

気が付けば、時間が足りなくなるほど夢中で語っていました。

そして、好きなことを思い切りやり続けた2017年3月、一日中草花や樹々と過ごすために、36年間勤務した仕事を離れ「森」に転職(?)しました。
おひさまが昇ってから落ちるまで、へとへとになるまでの森仕事。それでも、明日やることを考えるとワクワクして眠れないほどでした。

もうひとつの森

森で過ごすようになった私に、娘たちが言いました。
「お母さんって、本当はこういう人だったんだね。」
昔は、いっつもセカセカしてた。こんなに穏やかで楽しそうじゃなかった…。

そっか…。
森って、やっぱりすごいね。
独り占めしてたらもったいないね。
誰でも来たい時にふらっと訪れて、ほっとする場所にできたらいいな…。

そんな夢もできました。

そして今、私はもうひとつの森「あきた森の保健室」というところにいます。
誰でもふらっと訪れて、ほっとひと休みしたり、安心安全な対話のできる場所。
好きなことをやり続けた先に待っていたのは、本当の自分もセカセカと頑張ってきた自分もまるごと活かすことのできる、新しい仕事でした。