育自の魔法は、自分の豊かさに出会っていく旅
「魔法」という言葉に惹かれた
私は、自分の話をするのが苦手でした。苦手と言うより嫌でした。ワークショップに参加した時、自分の人生の話をすることがわかり、正直これはまずい、軽く済ませようと思っていました。
私が「育自のための小さな魔法」と出会ったのは、2015年1月。コーチングに出会って1年経った頃でした。「魔法」という魅力的な名前に惹かれて参加した時のことでした。
ところが、その時初めて会った隣の方が、自分の痛みをオープンにしたストーリーを話されたのです。聞いているうちに自分と重なることがあり、思わず涙してしまいました。その方も話すつもりではなかったのに、と涙ぐんでおられました。しかし、話して良かったと実に爽やかなお顔をされていたのです。それから、いよいよ自分の番になった時、私も自分に真摯に向き合わないと、と決心し、勇気を出してマイストーリーを話始めたのでしたが、案の定、途中で涙に詰まり声が出ず上手く話せませんでした。
それでも、その場にいた参加者の皆さんは黙って、私の口から次の言葉が出てくるのをゆっくりと待っていてくれたのでした。ただただ黙って私に注意を向けて聞いてくださっているのが、とても嬉しかったのを今でも覚えています。その後で、皆様ご存知のアレがありました。ホメホメシャワーです。その時は、まだ十分に受け取れない私がいて、座布団からお尻が浮くような感覚でした。
その日にPart1 Part2と連続して受講し、終わった後で、今まで味わったことがないことが私に起こりました。それは、まるで自分の胃袋が優しいスープに満たされるような温かい感覚で、胃から身体中へと温かさが広がっていきました。この感覚を「幸せ」って呼ぶのかな、と思いました。
そこから数週間後にPart3も受けて、その年の秋には、ファシリテーターになりました。いつのまにか私は魔法にかかり、自分もアノ感覚を届ける人になりたいと思うようになっていたのです。
(最初に描いたPart3の絵は今でも部屋に飾ってあります)
ファシリテーターになったけれど・・・
ファシリテーターになったものの、自分一人で場を開くなんてことは怖くて、なかなかワークショップを開催することができませんでした。人生の大切な話を聞かせてもらえる場を私が創れるだろうか?という自信のなさ、怖さ。しかし、どこかで、あの素敵な感覚になる場を持ちたいと渇望する矛盾した自分がいました。
そんな時、コーチ仲間のミッキー(緒方幹代さん:大阪ファシリテーター)が、コーリードで一緒にやらない?と声をかけてくれたのです。コーリードとはファシリテーター二人で場に立ち進行することです。
コーリードで場を創る楽しさ
初めて二人で場を持つために、私たちはまず私たちお互いをよく知ろうと、何度もスカイプで打ち合わせをしました。何度も何度も、育自の魔法を「誰に届けたいか」「どんな場になったらいいか」「私たち自身がどんなあり方でいたいか」と対話を続けました。今思い返すとミッキーの方から根気よく何度も私に声をかけて話す時間を持ってくれたのでした。この経験で私は、誰かと一緒に何かをするときの人へ関わり方を学びました。私は人と関係性を作るのに苦手意識があり、いつも距離感を感じていたのです。そんなふうに見えないとよく言われますが、実はそうなのです。
ワークショップを開くために、初めてイベントを立てて、告知をして、エンロールをして、エンロールをして、エンロールをして(笑)と、得意でないことなので、全てがチャレンジでした。一人でも参加者がいらしたら開催しようと二人で決めていました。
(ミッキーのサロンでも菩提寺でも、それぞれいい時間でした)
参加者が、初めて来てくださった時の嬉しかったこと!そしてとっても緊張しました。
しかし、実際に場で起こったことは、毎回本当に心温まることで、大事なものが体に沁みいるようなエッセンスがあふれる場でした。これをファシリテーターとして味わってしまうとクセになります。
私たち二人の場に、しまちゃん(嶋田和宏さん:京都ファシリテーター) がサポートで入って支えてくださっていました。本当に心強く、味方として共にいてくださったことに感謝しております。
それからコーリードすることの楽しさを覚えた私は、今度は、とみちゃん(有賀都深子さん:松本ファシリテーター)にお声かけいただき、とみちゃんのデビューに立ち会うことができました。生まれて初めて松本に一人旅をした楽しい思い出になりました。
(とみちゃんデビュー)
育自モデルが回り始める
そして、京都で [NPO法人ひととひと] が始動し始めました。
「京都を中心に育自の魔法を届けたい」当初 [ひととひと] は、そんな思いを含めてスタートしました。理事全員がコーチで育自の魔法のファシリテーターです。私たちはどんどん進化をし続けています。ドキュメンタリー映画を上映し、対話の場を設けたり、写真カードを使って自分の本当の気持ちに触れ自分を見つめるワークショップを開いたり、さらに地域のかたに、自由に本音で語れる場を持ったりと、メンバーそれぞれが得意でやりたいことを実現していく活動をしています。JOY∞JOB(ジョイジョブ)と呼んでいます。ふと気がつくと、私たちは、自分たちの「育自モデル」を回しているのでした。
先日はドネーションキャンペーンで多くの皆様の温かいご支援や応援をいただき、しみじみと応援される喜びと、御支援を受けているのだから頑張らなくっちゃ!と気持ちが一層強くなり引き締まりました。
豊かさの伝播
私個人としては、毎週多くのシニアの皆様の前でキャリアコンサルタントとして「自分を大事に、自分の命を輝かせて生きるセカンドライフを考えてみませんか」とお話ししています。実はこれは、「養成講座ブラッシュアップ」で演習した自分の育自モデル「シニアに光を!」のプレゼンが今実現しています。 意図すると叶うものなのですね。驚いています。
ところで、10月に育自のための小さな魔法Part1 Part2を開催したのですが、受講してくださった方から「ファシリテーターになりたい」というお声が上がってきたのを聞いて、ワクワク嬉しくなりました。私は「育自の魔法のミッション」の文言が大好きです。それが広がっているのを感じています。
育自モデルは、回すものではなくて、「自分を大事に」を起点にすると自然と回っていくもの。私にとって、自分を育むことは、自分の豊かさと出会っていく旅でもあるのです。
自らを育み
自分が自分であることを慈しみ
すべての生きとし生けるものが
お互いに関わり合い 支え合い
つながり合う世界を広げていきます