リレーエッセイ「私の育自」

想定外こそ人生の醍醐味

このリレーエッセイを引き受けてから、何を書くか迷いに迷いました。それで、この1年ほどを振り返ってみたら、「想定外こそ人生の醍醐味」という言葉が思い浮かびました。

体重が気付かぬうちに増えたのは生活習慣の結果で、残念ながら想定の範囲内ですが、今年は思いもよらないことが続き、慌てふためき、気付けばもう街中の至るところでクリスマスソングが流れる季節になっていました。

今年は1年が早く過ぎ去りました。

余裕がなくなり「好き」「楽しい」「わくわくする」そんな感情がどんどん遠くなり、(あれ?私って何がしたいんだっけ?好きなことって何?)と、自分でもびっくりするくらい、世界が薄灰色の霧に包まれているように感じられていました。

ちなみに、このリレーエッセイを書いている今、高熱を出した夫がインフルエンザと診断されました。これも想定外。

むしろ想定内の事のほうが少ないかもしれません。

人生の大部分は、 SNSに書けないし、書かないことです。

「私の育自」というテーマで言えば、(想定外のことが起きた時こそ自分を育てるチャンス!)といつでも思えたらいいなぁと思っています。

実際は、一番しんどかった時期やその渦中にいる間は全く余裕がなく、少しずつ落ち着きを取り戻し始めてから、(あの時はよく乗り越えたなぁ、私はこんなところが成長したかもしれないなぁ)と、少しずつですが、振り返り、変化を感じられてきたところです。

自分の思い通りにならない、辛い経験、しんどい時期は誰にでもあると思います。

そんな時に、他人と自分とを比べたり、調子の良かった頃の自分と比較すると、自分を責めやすく、ますます辛くなることが多かったです。

しんどいときには比べない、自分を責めたところで解決しない、何の役にも立たないよ、と過去の自分に言ってあげたいです。

しんどいな、辛いなと思った時、思い出す言葉があります。

TVのプレゼンテーション番組で知った、荒れた高校を立て直した校長先生の言葉です。

「So What? Now What?」

だから何? それがどうした?

「What are we gonna do about it?」

この先どうするかが大事よね?

あまりにしんどくても笑っちゃう、笑うことで乗り越えるエネルギーが湧いてくるのかもしれません。

辛い、しんどい、悲しい、そんな経験があった後、ふと亡くなった祖母たちを思い出し、すごく可愛がられていたんだと今になって気付いたり、何でもない日常がありがたいと思うようになりました。

辛い、しんどい、焦る、ネガティブな気持ちに支配されていると、その周りで起きている小さな幸せを見逃すことが多いよなぁと思い、少しずつ少しずつ、空を見上げるようにしています。

燃えるような夕日を見ても心が動かない
何を見ても面白くない

そんな時期でも
そんな時期こそ

自分育てのチャンス

トンネルを抜けたら
世の中の見え方が変わっているかもしれないと

想定外を楽しみながら、自分育てに今日も励みます。