リレーエッセイ「私の育自」

「私」と出会わせてくれた育自の魔法

●初めての育自~「私」の人生が語れない
私が初めて育自の魔法に出会ったのは、2013年。
カウンセラーの養成講座で出会った友人に誘ってもらって、Part1に参加しました。

カウンセラーの勉強をしていたので、自分自身のこともある程度理解しているつもりでしたし、心理学系の講座やワークショップにも参加したことがあったので、それらと同じ感じかなと思っていました。

そして、やっぱりサクサクっと描けたライフライン。
でも、他の方の語りを聴いて、自分のライフラインに違和感を感じました。

このライフラインって、「仕事をしているときの私」しか描けてない…!!

結婚や出産など、人生のイベントはたくさんあるはずなのに、就職後のプライベートな部分が全く反映されていなかったのです。

自分の人生をしっかり語って心を大きく動かした友人を羨ましく思いながら、自分自身のライフラインすら描けないの?とショックを受けて帰りました。

●一本のライフライン~「私」の統合
その後、自分に向き合ってみようと、友人からコーチングを受けることにしました。

何回か続けた中で、「ライフライン描いてみる?」と提案していただいて、方眼紙や色ペンを使って、私の気持ちのままに描いてみると、納得のライフラインに!

それは、1本ではなく、社会人の私と、プライベートの私の2本のライフラインでした。

普段から、職場では「女性だからと言われないよう、男性に負けない仕事をしなければならない」、家庭では「いい妻、いい母、いい嫁でなければならない」と自分に課し、がんじがらめになっていた私。

仕事を辞めてからは、似た人生目標や価値観を持つ仲間と出会い、それまでと比べて、かなり自分自身を取り戻したように思っていたのですが、それぞれの役割に応じて、まだまだ分厚い仮面をかぶっていたようで、ライフラインでさえ1本の線にならなかったのです。

それに気づいて意識をしてみると、ちゃんと1本で描けるようになりました。

初めて1本に描けたときは、やっと自分の人生が自分のものになったような不思議な感覚でした。

●好きなことを褒めてもらう~「私」を取り戻す
Part1で、やっと自分の人生を見つめることが出来たのもつかの間、Part2で「好きなこと・もの」を持ってきてと言われたとき、次は「趣味」がないことに気づきました。

「あれ?私って、何が好きなんだろう?」と、情けない気分にもなりました。カウンセラーの勉強をしながら、人には「心豊かに」とか言うのに、私の心が豊かじゃないやん…。

そして、思いついたものは、私が現実逃避をしたいときに黙々とする手作業。
ぽち袋作り、折り紙で作るミニ紙袋等…。
他の人と比べると、何の特徴もなく、秀でてるわけでもなく、こんなのでいいのかな?と思いながらぽち袋を持って行きました。そんな自信のないアイテムの紹介のつもりが、話しているうちに「ちょっと、なにこれ?楽しいやん!」とテンションも上がり、「私って、こんなこと思いながら作ってたのね」と自分のことながら、言葉にして気づくものがあったり。
さらにほめほめシャワーでお尻が浮きそうなくらいの嬉しい言葉をたくさん浴び、私も「私」を認めていいんだと思えました。

そして、好きなことは誰とも比べる必要がなく、当たり前なのですが、私が好きなら、それでいいということ。

周りの人に合わせて物事を決めるくせがついていた私にとって、それらの体感的な気づきは、自分自身の感情を取り戻したような感覚でもありました。

●まだまだ続く右上がり~「私」を楽しむ
育自の魔法のワークショップを何回か受けると、そのたびに新たな「私」に出会うことができます。そして、それらを認めると、心の幅が広がります。

さらに、そのままの「私」が受け入れてもらえるとわかると、人とのコミュニケーションが深くなりました。表面上だけの付き合いではなく、弱い部分もさらけ出せる、信頼できる仲間ができました。

育自の魔法に出会った頃も、現在の部分は右上がりのライフラインを描いていましたが、自分自身を認め、好きなことを素直に好きと言える今は、さらに自分の今後への「わくわく度」が増しています。

私らしく人生を歩み続けた先に見える景色が、本当に楽しみです!